環境問題はとても複雑な問題だ。僕はAl Goreが言うような科学的な検証の欠ける論考はまったく気にしていない。しかし食糧不足、貧困、資源不足、人口爆発などこれから生きて行くなかで数々のビックプロブレムが僕らを待ち受けていると思う。
上記のどの問題にも僕らは何かしらの関連性を持って生きているわけで(僕はそう考えるべきだと思っている)、問題を解決するための努力を行う必要があると思う。必要なのは個人が社会に参加する一人(ステークホルダー)として、自分の機能や責任を考えて行動するということだと思う。

このような現代社会の中で「デザイナーはどう行動すべき、どうクライアントに提案すべきか」などの行動指針をまとめた宣言文を読む機会があった。それは”デザインの京都議定書”こと「The Designers Accord」(以下DA)というドキュメント。これはアメリカ合衆国カリフォルニア州パロアルトに本拠を置くデザインコンサルタント会社IDEOの幹部であるヴァレリー・ケイシー氏の個人的な一念発起から始まった。

DAは、サステナビリティに関するデザイン界の最前線で活躍するデザイナー同士のゆるやかな協定になっている。このDAに賛同する個人デザイナーや企業はオンラインで賛同表明をすることができ、承認された人々はこのディレクトリーサイトに掲載される。





もちろんここに登録されることによって、登録した人々の社会的なメリットは少なからずあるだろう。しかしDAは「デザイナーに対する5つの約束」という文を発表し、DAに賛同する人々がこれらの約束を守らなければならないことを提示している。


〜〜以下SHIFT | THINK GREEN | デザイナーの京都議定書「THE DESIGNERS ACCORD」から抜粋〜〜

引用元:http://www.shift.jp.org/ja/archives/2008/11/designers_accord.html
5つの約束
では、どんな約束を守らなければならないのでしょうか?さっそく、デザイン会社向けのガイドラインをみてみましょう。(翻訳は、岡本依子さんです)

1. 公にThe Designers Accordへの参加を宣言する。
2. すべてのクライアントと環境に対する影響について、また、代わりになる持続可能的方法についての対話を始める。環境に責任を持ったデザインや業務工程を支持するようなクライアント契約を再作成する。持続可能なデザインのための戦略的、そして、物質的な代替案を提供する
3. 持続可能性および持続可能なデザインに関して、あなたのチームを教育するプログラムに着手する。
4. 会社(オペレーションおよびクライアント業務を含む)の炭素/温室効果ガス・フットプリントを測定し、フットプリントを毎年縮小することを誓約する。
5. 持続可能なデザインのための共有の知識ベースに積極的に貢献することにより、デザインの視点から環境問題についての理解を深める。

〜〜以上抜粋終了〜〜


これが言わんとしているのは、

(1)サステナビリティを実現するデザインプロセス(作業体制、材料獲得方法など)を考え、
(2)常に地球環境や有限資源への影響を考え、影響(地球へのコスト)削減を実施し、
(3)それを実施した際で得た経験値やそのために取得した知識をクライアントや競合の枠を超えて共有する。
ということだと思う。


DAのウェブサイトにヴァレリー・ケイシー氏自身によって書かれた「designer’s dilemma.」という記事がある。これはケイシー氏自身がデザイナーとして抱えていたジレンマを表明したものだ。


〜〜以下SHIFT | THINK GREEN | デザイナーの京都議定書「THE DESIGNERS ACCORD」から抜粋〜〜

「新しい考えが重要な意味を持つこの転換期に、なぜデザイナーは何もしていないのでしょう?なぜ、デザインは新しい解決策や変化のための計画を手にもって、このムーブメントの最先端にいないのでしょう?多くの意味で、この環境ムーブメントは、広く行き渡ったデザインの考え方によって脅かされているのです。その考え方というのは、持続可能性=停止状態、連携=模倣、と考えるものです。」
〜〜以上抜粋終了〜〜


僕らは自分と世界を隔離できない時代にいる。いくら日本に住んでいる一労働者だとしても、それは地球という大きな利益共有社会に参加していることになる。上記はそうした時に、いかに自らが世界に貢献できるのか?ステークホルダーとして社会に参加しているのか?ということを「デザイナー」的に考察したドキュメントだ。自分はどうやってステークホルダーとなっているのか。自分の参加方法ももっとブラッシュアップしていきたいと思った。

ちなみに今週12月12日(金)にはエコプラザ サステナブルデザインフォーラム会期中に”サステナブルデザイン国際会議2008 “Destination 2024”が開催される。チャンスがあれば行きたいけど。

The Designers Accord:ウェブサイト
Designers Accord Web Community:ウェブサイト(コミュニティブログ)